ぷしけ 日常

にぎやかな鍋。叔母春江の話。
牛若時緒 31 0 0 06/07
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第一稿

詩織と理人が見つめあっているうちに一階からいい匂いがしてきた。
手をつないで駆け降りる二人。
母はほほ笑みながら新品の茶碗を理人に手渡す。
叔母春江も父正雄も何やら上機嫌にな ...続きを読む
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詩織と理人が見つめあっているうちに一階からいい匂いがしてきた。
手をつないで駆け降りる二人。
母はほほ笑みながら新品の茶碗を理人に手渡す。
叔母春江も父正雄も何やら上機嫌になっていた。
理人「どうして僕を?」
春江はテレビを消して、ある写真たてを見せた。
そこには俳優のようにかっこいい男の人の写真。
春江「うちの人。今海外コンダクターしてんの」
理人はうなづいて聞いていた。
喫茶店でアルバイトをしていた春江に恋したその人は小説を書いた。
それは瞬く間に売れ、春江は時の人になった。
春江は婿養子になるのなら、と結婚を受け入れ、二人は幸せになった。
毎年梅雨の時期になると雨だれを聞きながら二人で愛を語らい、寒くなると暖炉をかこう。
しかしながら二人には子宝に恵まれなかった。
理人はその写真たての男性に、昔亡くなった父を重ねて涙した。
春江は泣き笑いしながら言う。
春江「理人ちゃん、私はねあなたを息子のように思ってるの。だから甘えていいのよ」
理人は目に涙を浮かべていた。
理人「今更甘えるってどうやって。僕の亡くなった母にそっくりなあなたに失礼な気がして」
正雄はビールを飲みだした、そして顔を真っ赤にして言い放つ。
正雄「もういい。二人は大学卒業したら絶対結婚しろ。じゃないと許さん」
春江「今年からあの人にずっとここに住んでもらいましょう。じゃないとつらいわ」
息子のいない春江と両親のいない理人。詩織は左手で涙をぬぐう。
詩織「ほら、冷めるき食べよーや」
テレビではお笑い番組がちょうどやっていた。
理人は初めてお笑い番組を見て笑うことができた。

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