2
理人は汗をぬぐいながら詩織と手を合わせていた ふとなびいた風から声がする その刹那目の前に幼いころの自分がいた。 そして笑顔でつぶやいた やっと自分を許せるようになったんだね そして祖父母に促されて空を見ると虹があがっていた うだる暑さの中、幸せを手に入れる覚悟はあるのかと問われている気がした 蝉の声が脳内で響いている その先に何も見えないほど美しい空が広がっていた
コメント
コメントを投稿するには会員登録・ログインが必要です。