今日から我が家は騒がしい 第6話 「それでも父親は、やっぱり淋しい」 ドラマ

中学卒業を控えた長女・さくらが「進学せずBL漫画家のアシスタントになりたい」と宣言。さらに長男・渉も自立の準備を始めたことで、京太郎は父親として避けられない「孤独」に直面する。子供たちの自立という変化に戸惑い、自分の役割を見失いかける京太郎。そんな彼を連れ出したのは、新作執筆に励む真澄だった。酔いの中でぶつかり合い、孤独を分かち合う二人。親としての終焉と、大人としての新たなステージの予兆を描く。家族の形が再定義される、シリーズ後半への重要な転換点。
あゆむ。 18 0 0 02/14
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第一稿

〇五話のダイジェスト

〇マンション・森川家・リビング(夜)
   京太郎、渉、さくら。
さくら「実は、私…春になって中学卒業したら、進学せずにコミック作家のアシスタントを ...続きを読む
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〇五話のダイジェスト

〇マンション・森川家・リビング(夜)
   京太郎、渉、さくら。
さくら「実は、私…春になって中学卒業したら、進学せずにコミック作家のアシスタントをする
 仕事に就きたいと思ってます!!!」
京太郎「え?高校へ行かないのか?マジで?」
さくら「マジです!!!」
   固まる京太郎。
渉「お父さん。大丈夫?」
京太郎「あ、あぁ…さくら本気なのか?」
さくら「本気です」
   傍らに置いてあった漫画雑誌を手に取り京太郎と渉に見せるさくら。
さくら「(ページをめくりながら)この雑誌に書いてあるのですが、私が尊敬してやまないBLの
 コミックを沢山書かれてるまゆ原すず子先生のアシスタントを募集してるのを見かけまして」
京太郎「B、BL?」
渉「男同士の恋愛を描いたコミックだよ」
京太郎「へぇ…(我に返り)男同士の?」
さくら「私はこの先生を心から尊敬しています。先生が書く繊細なキャラクター。話もとても毎
 回新鮮で、いつも涙を流しながら読んでいるのです。その先生のアシスタントの募集を私は見 
 つけてしまったのです!これはもう運命なんだと思います!」
京太郎「ちょ、ちょ…ちょっとさくら落ち着きなさい」
   アシスタント募集要項のページをガバッと京太郎と渉に見せるさくら。
さくら「私はこれに応募します!」
京太郎「わ、分かった。さくらの言う事は分かった」
さくら「そうですか…ありがとうございます」
渉「さくら、良かったな」
さくら「はい」
京太郎「気持ちは分かったけど、父さんは反対だ」
さくら「え?」
京太郎「漫画のアシスタントに就くという夢は父さん否定してるわけじゃない。ただ時期がまだ
 早すぎるんじゃないのか?」
さくら「…」
京太郎「高校へ行って、大学までは言わなくても、もう少し学校生活を楽しんでそれからで
 も…」
さくら「それからじゃ遅いんです」
京太郎「さくら…」
さくら「お父さん、やっぱり分かってくれないんですね…お母さんが居たら喜んで賛成してくれ
 てたはずなのに…」
   立ち上がり、自分の部屋へ入っていくさくら。
京太郎「さくら」
渉「お父さん。今はちょっとそっとしておこう」
京太郎「…」

〇同・同・さくらの部屋・中(夜)
   机の前で泣いているさくら。
   机に家族で撮った写真が並んでいる。
   その中に笑顔で写っている凛とさくらの写真を見るさくら。
さくら「お母さん…」

〇同・佐田家・書斎・中(朝)
   煙草を吸いながらパソコンで原稿を書いている真澄の目が半開き。
真澄「あぁ、ダメだ…これは寝てしまう…」
   煙草を消し、立ち上がり書斎を出て行く真澄。

〇同・森川家・ダイニングキッチン(朝)
   京太郎、渉、さくらが重い雰囲気の中朝食を取っている。
   チャイムが鳴るが三人とも顔を見合わせて出ようとしない。
   段々とチャイムの回数が連打されていく。
京太郎「あぁ、もう朝からうるさいな。誰だよ!」
   荒々しく玄関へ行く京太郎。

〇同・同・玄関・中(朝)
   京太郎が来る。
京太郎「(イライラして)はい、どなた?」
真澄の声「俺…」
京太郎「俺?(真澄と分かり)あぁ」
   京太郎がドアを開けると真澄が倒れ込むように入って来る。
京太郎「えぇ…もうなんなんですか」
真澄「コーヒー飲ませて」
京太郎「はぁ?ここ喫茶店じゃないんですけど」
真澄「いいじゃん、コーヒー」
   フラフラ立ち上がりながら部屋に入っていく真澄。
京太郎「ちょっと!」

〇同・同・ダイニングキッチン(朝)
   ふらつきながら来る真澄に後からついて来る京太郎。
渉「あ、真澄さん。おはよう」
真澄「おぅ。渉、おはよう。さくらもおはよう」
さくら「おはようございます」
   様子が違う事に気付く真澄。
京太郎「あのね、何度も鳴らさなくてもいいんですよ。朝から騒がしい」
真澄「だったら一度鳴らしただけで出てよ」
京太郎「本当に貴方って人は」
   さくらの隣に座る真澄。
さくら「ご馳走様でした。行ってきます」
真澄「おぅ、さくら行ってらっしゃーい」
さくら「はい」
渉「で、真澄さん。朝からどうしたんですか?」
真澄「あぁ、今日さあ完徹しちゃってもう目が限界なんだよ。でも、キリが良い所までもう少し
 なんだ。だからコーヒーを頂こうと」
京太郎「だからここは店じゃないって」
真澄「もう、ごちゃごちゃ言わないで作ってくれよ。飲んだらすぐ帰るから」
京太郎「改めて、めんどくさい人が隣に越して来たもんだ」
渉「俺で良かったら作りますよ!」
京太郎「渉!お前も学校だろ」
   キッチンへ行きコーヒーを淹れる渉。
渉「真澄さんにコーヒー淹れたら行くよ」
真澄「渉は優しいなあ。俺の息子にしたいよ」
京太郎「は?」
渉「真澄さんには助けられたから…はいどうぞ」
真澄「渉―!ありがとう。また今度二丁目に行こうな」
京太郎「ちょっと」
渉「じゃ、お父さん、真澄さん行ってきます」
真澄「ほい、行ってこーい!」
京太郎「行ってらっしゃい、気を付けるんだぞ」
   美味しそうにコーヒーを飲んでいる真澄。
京太郎「飲んだら、さっさと帰って下さいね」
   キッチンへ行こうとする京太郎の腕を掴む真澄。
京太郎「イッてぇ…」
真澄「さくら、何かあった?」
京太郎「え…」
真澄「何かあったんだろ」
京太郎「ま、まぁ」
真澄「何だよ、お隣さんだろ。話聞いてあげるよ」
京太郎「そうですか、聞いてくれますか?」
   京太郎が話をしようとすると、真澄のスマホが鳴る。
真澄「(着信を見て)げっ、斗馬だ。あいつ来るまでにもう少し仕上げとかなきゃいけないんだっ
 た」
   コーヒーをがぶ飲みしようとするが熱くて中に入って行かない。
   憮然とした顔で真澄を見る京太郎。
真澄「あっち。あっちぃ。俺戻るわ。さくらの事後で聞くから」
   ダイニングキッチンを出ていく真澄。
京太郎「もういいですよ」
真澄「後で、斗馬と店に行く!」
京太郎「来なくていいです!」
   椅子に座り頭を抱え溜息を付く京太郎。

〇喫茶店「Rin」・中・カウンター・中
   コーヒーの準備をしている京太郎。
   カウンターでスマホを触っている京子をチラチラと見ている京太郎。
京子「(スマホを触りながら)ねぇ、京太郎。何か私に話したい事があるんじゃない
 の?」
京太郎「は?いや別に…」
京子「私達、何年姉弟やってると思ってんの?何、私に相談事でも?」
京太郎「そんな出会い系をチャラチャラやってる人に相談なんてしてくないね」
   スマホから顔を上げる京子。
京子「じゃあ、ちゃんと聞いてあげようじゃないの」
京太郎「お、おぅ…じゃあ言うよ…あのさ…」
   出会い系のメール着信が鳴る。
京子「あ、メール来たー」
   喜びながらメールを確認する京子。
京太郎「(舌打ちして)ったく、何なんだよ!」
京子「アンタが早く話さないからでしょ。んで、何?」
京太郎「あのな…」
   店に客が入りだす。
京太郎「あぁっ!い、いらっしゃいませ…」
   溜息を付く京太郎。

〇××中学校・三年三組・中
   昼食時間で、友達同士で昼食を取ってる中、さくらは一人漫画雑誌のアシスタント募集の
   ページを見ている。

〇さくらの回想・森川家・リビング
   さくらが描いた絵を後ろに隠し、凛が洗濯物を畳んでいる所へ行く。
さくら「お母さん」
凛「(振り返り)あら、さくら。どうしたの?」
さくら「これ」
   後ろからさくらが描いた家族の絵を見せる。
凛「うわぁ。さくら凄いじゃん。皆の絵を描いたんだ」
さくら「はい」
凛「お父さんも、渉も皆そっくりだ」
さくら「お母さん。私、必ず漫画家にります。私の大切な夢です」
凛「そっか。さくらはホント絵を描くのが好きだもんねー。お母さんもさくらの夢が叶うように
 祈ってるからね」
さくら「はい。必ず夢を叶えます」
凛「分かった。さくらの事応援してるからね。お母さんはさくらのファン第一号だね」
   笑顔でさくらを抱きしめる凛。
さくら「頑張ります」

〇回想戻り
   さくらの強い決心の目。

〇喫茶店「Rin」・中
   真澄と斗馬が来ている。
   二人にコーヒーを渡す京太郎。
京太郎「来なくていいって言ったのに」
真澄「俺は、約束した事は守るの」
京太郎「約束って、貴方が強引に」
斗馬「お二人っていっつも何か言い合ってますよね。面白いっすね」
   京太郎と真澄が斗馬を見る。
斗馬「すみませーん…」
京太郎「さくらが、進学せずに漫画家のアシスタントへ着きたいって言うんですよ」
真澄「へぇ、そうなんだ。漫画家になりたいのかさくらは」
京太郎「しかも…び、BLという作品の有名な作家さんに付きたいんだそうです」
真澄「マジで?じゃあさくら腐女子なのかな?」
京太郎「ふ、腐女子」
真澄「腐った女子と書いて腐女子」
京太郎「腐ったって…さくらは腐ってなんかいませんよ!」
真澄「(笑って)えぇ京ちゃん腐女子知らないの?えぇ(笑う)」
京太郎「何ですか!別にいいでしょ知らなくったって」
真澄「男性同士の恋愛で色んな妄想するなんて私達腐ってるよねーから腐女子って言葉が付いた
 らしいよ。別にさくら自身が腐ってるって意味じゃないよ(笑う)
   店の道を見ると学校帰りのさくらが通るのが見える。
真澄「あ、さくら」
京太郎「え…」
真澄「もう一度、お互いちゃんと話して見なよ。連れて来てやるよ」
京太郎「いや、いいです。いいです。家で話しますから。ここだとちょっと…」
   京太郎の言葉を無視して。店を出る真澄。

〇同・前・道
   さくらを追いかけて来る真澄。
真澄「さくらー!」
   立ち止まり振り返るさくら。
さくら「あ…」
真澄「今学校帰り」
   頷くさくら。
真澄「ちょっと店に寄って行かない?」
さくら「…」
真澄「もう一度ちゃんとお父さんにさくらの気持ち伝えてみなよ」
さくら「真澄さん?」
真澄「お父さんに話聞いたんだ」
さくら「…」

〇同・中
   さくらを連れて真澄が来る。
京太郎「あっ…」
   さくらを促し、隣に座る真澄。
真澄「ほら、連れて来たぞ」
京太郎「さくら…」
さくら「お父さん。私はお父さんに何て言われてもこの夢は諦めません」
京太郎「…」
さくら「お母さんと約束したからです」
京太郎「え?凛と?」
   頷くさくら。
さくら「私が将来コミック作家になると話した時、お母さん凄く喜んでくれました。何も言わず
 に賛成してくれました。そしてお母さんはさくらのファン第一号だって言ってくれたのです」
   さくらの言葉に、何も言えない京太郎。
真澄「京ちゃん」
京太郎「(我に返り)え…え?」
真澄「さくらは、こう言ってるよ。京ちゃんの気持ちは?」
京太郎「あ、あぁ…」
真澄「あぁ…じゃないんだよ。さくらのこの熱い気持ち。応援してやっていいんじゃないか?」
京太郎「さくら」
さくら「はい」
京太郎「さくらの気持ちは分かった…父さんさくらの夢応援するよ」
さくら「お父さん…」
京太郎「その代わり」
真澄「何だよその代わりって、素直に応援してやれよ」
京太郎「すみません。ちょっと黙っててもらっていいですか?」
真澄「えぇ…ちょ、」
   斗馬が真澄を制する。
斗馬「ここは、黙っておきましょ」
真澄「…」
京太郎「その代わり…それだけ決心して決めた夢なんだ。絶対に叶えるんだ。途中で挫折する事
 や辛くなる事もあると思う…それでも諦めるんじゃない。それが約束出来るなら…お父さん応 
 援する」
さくら「お父さん…(泣きそうになる)」
   京太郎がさくらを抱きしめる。
京太郎「母さんに一号取られたから、お父さんはさくらのファン二号で行こうかな」
   声を出して泣くさくら。
真澄「さくら。良かったな。じゃあおじさんは三号で行こうかな」
さくら「ありがとうございます」
斗馬「さくらちゃん。いつかプロになったらうちで出版出そうよ。コミックの編集部もあるか
 ら」
さくら「はい。その時が来ましたら宜しくお願いします」
   優しく微笑み頷く京太郎。

〇マンション・森川家・ダイニングキッチン(夜)
   ビーフシチューを食べている京太郎、渉。さくら。
渉「そっか。お父さん、さくらの夢応援する事になったんだ」
京太郎「あぁ」
渉「さくら、よかったな」
さくら「はい」
京太郎「渉」
渉「ん?」
京太郎「渉は、何か将来やりたい事とか無いのか?」
渉「俺は…まだそこまで考えてないんだけど、やってみたいって言うなら」
京太郎「ん?あるんじゃないのか?言ってみろ」
渉「いや、そこまで…まださくらみたいに具体的な夢ってのはないな。でもちゃんと何か決まっ
 たら知らせる」
京太郎「そっか。まだ何も決まってないなら、進学して焦らず自分のやりたい事、なりたいもの
 を探したらいい。父さんもう何も反対しない。さくらも渉も自分で自分の道決める事が出来る 
 歳になったんだからな」
渉「分かった」
さくら「はい!」
   インターホンが鳴る。
京太郎「ん?誰だ?」
   インターホンが何度も鳴りだす。
渉「これ、もしかして」
   渉とさくらが顔を見合わせる。
   溜息を付き玄関へ行く京太郎。

〇同・同・玄関・中(夜)
   京太郎が来る。
京太郎「どちら様ですか」
真澄の声「って聞かなくても、もう分かるだろ」
   ドアを開ける京太郎、真澄の額にドアが当たってしまう。
真澄「イッてぇ!」
京太郎「あ、ごめんなさい。わざとじゃないです」
真澄「絶対わざとだ」
京太郎「何の用ですか?」
真澄「なぁ、ちょっとこれから時間ある?」
京太郎「これから?」
   渉と、さくらがひょこっと顔を出す。
真澄「いいじゃん。飯食いに行こ。さいだに食べに行こう」
京太郎「え?いや、今ビーフシチュー食べてたし、今日は」
真澄「いいじゃん。なっ行こう。一人で飯食うの淋しいんだよ」
京太郎「斗馬君と食べたらいいじゃないですか。貴方達いつも一緒だし」
真澄「あいつはデート(渉とさくらを見つけ)なぁ、二人共お父さん借りてもいいよな」
渉・さくら「どうぞ!」
京太郎「だから、どうぞじゃないんだよ!」
真澄「はい。行くよー。連行―」
京太郎「連行って何だよ!」

〇居酒屋「さいだ」・中(夜)
   カウンターに座っている京太郎と真澄。
真澄「(メニュー表を手に取り)はい」
京太郎「あ、どうも」
真澄「でもまぁとりあえずビールだよね。ビールお願いします!」
志保「はぁい」
京太郎「ちょっと待って。私は飲まないですよ?」
真澄「はぁ?」
京太郎「あのですね、貴方と飲んで何度も酷い二日酔いになってるんですよ」
   笑う真澄。
京太郎「何が可笑しいんですか!笑い事じゃないんですよ。何度断っても無理やり飲まされてへ
 べれけになって気付けば朝になって激しい頭痛が襲ってくるんですよ。もう嫌なんですよ」
   志保がビール瓶とグラス二つ持って来る。
志保「はいどうぞ。そう言っても京さん結局は飲んじゃうんだよねえ」
京太郎「ちょ、志保さん」
真澄「飲むんじゃん」
   グラスにビールを注ぎ京太郎に渡す真澄。
京太郎「いや、ちょっと話聞いてました?」
真澄「分かった。取り合えず一杯だけ飲もう。その後話聞くから」
京太郎「(間)じゃ、一杯だけ」
真澄「はい、乾杯」
   グラスを合わせる京太郎と真澄。
   ×××(時間経過)
   テーブルに四、五本のビール空き瓶が並び京太郎は酔っている。
正平「はい。これイカ刺し。サービス」
真澄「ありがとうございます」
京太郎「おっマスターありがとうございます」
   ビールを飲む京太郎。
京太郎「真澄さん、貴方に子供が居なくて良かったですよ?」
真澄「はぁ?俺は子供欲しくても、出来ないの」
京太郎「あ、そっか…まぁ何にせよ、子供は居なくて良かったですよ」
真澄「何で?」
京太郎「何でって、昔はお父さんお父さんって言って来てくれてたのに、いつの間にか渉もさく
 らも自分で自分の道決めるようになって、俺の知らない所で、何でもかんでも決めて行って。
 さくらなんて凛と漫画家になる約束までしてたなんて、知らなかったですよ」
真澄「それは、もう許した事なんだろ」
京太郎「許しましたよ。許さなきゃ先に行かないでしょ!でもね、急に頼られなくなると淋しい
 もんなんですよ。父親なんてもういらないなんて思われてるかと思うと」
真澄「そんな事思ってないよ。渉もさくらも、京ちゃんの事を思ってたからなかなか言えなかっ
 たんだよ。そこを分かってあげられないなんて馬鹿親父だよ」
京太郎「馬鹿親父って何だよ!」
真澄「二人が自分で将来の事を決めるなんて、素晴らしい事だぞ。今の若い子なんて夢や、やり
 たい事が見つからないって子が多いのに。しっかりと自分の夢を叶えようとしている子に育て
 たのは、京ちゃんと凛さんだろ。誇りに思っていい位だぞ」
京太郎「真澄さん(泣きそうになる)」
真澄「人の道に外れた事や、犯罪を犯したとかじゃないんだし、立派に育ってる。大丈夫!」
   真澄が京太郎の肩を思い切り叩く。
京太郎「イテェ!イッテェ(笑う)本気で叩くなし」
   真澄もつられて笑っている。
真澄「ってかさ、今ここでこんなに落ち込んでたらどうすんの?これから渉もさくらも自立して 
 家出て、結婚もして京ちゃん家で一人になるじゃん」
京太郎「言うなー!それを言うなー!どうしたらいいんだよ。あの家で一人だなんて考えられな
 い!」
真澄「あぁ、その時は一緒に暮らしちゃうか?」
京太郎「えぇ、真澄さんと?ちょっと勘弁してくださいよ(笑う)」
真澄「勘弁って何だよ。失礼だな。アンタみたいな淋しがりのおっさん。誰が今後一緒に暮らし
 てくれるっていうんだよ」
京太郎「うるせぇよ。あぁでもこんなうるせぇしめんどくせぇけど、案外悪くないかもしれない
 なあ」
真澄「うるせぇって何だよ!めんどくせぇって何だよ!そっくりそのまま返してやるよ!」
京太郎「(手で制して)大丈夫です。ご遠慮します」
真澄「何だよ、ご遠慮しますって。こっちもいらねぇよ」
   酔っぱらって、言い合いしてるのか笑い合ってるのか分からなくなっている京太郎と真
   澄。
   その様子を見ている正平と志保。
正平「大丈夫なのか?あの二人」
志保「多分…大丈夫」

〇道(夜)
   千鳥足で家に帰っている京太郎と真澄。
真澄「京太郎。お前はいい父親だ!これからも胸張って生きて行け!」
京太郎「おぅ!真澄!ありがとう!」
真澄「おい、真澄って呼び捨てするな。俺のが年上だぞ!」
京太郎「何言ってんだよ。俺達位になったらおっさん同士そんなに変わらないってこれからもお
 っさん同士頑張っていきましょー!」
   笑っている京太郎と真澄。

〇マンション・森川家・玄関・中(夜)
   インターホンが何度も鳴っている。
   渉とさくらが来る。
さくら「誰でしょう…」
渉「多分、お父さんじゃない?」
   ドアを開けようとする渉をさくらが止めて
さくら「と、思わせて違う人かもしれません」
真澄の声「おーい、渉、さくら起きてるか?」
渉「あ、真澄さんじゃん」
   ドアを開ける渉に、なだれ込むように京太郎と真澄が入って来る。
渉「うわぁ」
   玄関でニヤニヤして酔いつぶれている京太郎。
   真澄は肩で息をしている。
真澄「あぁ、酔いが醒めちゃったな」
さくら「お父さんは、どうしてこんなに酔っぱらってるのですか?」
渉「全く、飲めないくせに、直ぐ飲んで酔っ払うんだから」
真澄「ごめん、俺が存分に飲ませた」
渉「え…」
真澄「たまには、いいだろ。お父さんだってこれくらい飲みたい時だってあるんだよ」
さくら「いいですけど、真澄さんにまで迷惑かけてすみません」
真澄「それはいいの。俺が飲ませたって言ったろ?(笑って)渉、さくら。こんなに二人の事を
 思ってるお父さん。本当に良いお父さんだぞ」
渉・さくら「…」
真澄「いつも二人の事を気にかけて、心配して思ってくれてる」
   京太郎は変わらずニヤニヤしている。
真澄「そんなお父さんを今日は俺が気晴らしで飲ませたんだから許してやってくれ」
   頷く渉とさくら。
真澄「じゃあ、お父さん寝かせるか」
京太郎「真澄ー!もう一軒飲みに行こうよ」
真澄「バカ!これ以上飲んだら、明日の店どうすんだよ!渉。ちょっと半分肩貸して
 くれ。さくら、部屋ですぐ寝れる準備してくれ」
さくら「はい」
   渉が半分京太郎の肩に手を回す。
真澄「よし行くぞ。せーの!」
   京太郎を立ち上がらせる真澄と渉。

〇同・同・京太郎の部屋・中(朝)
   ベッドで眠っている京太郎…の隣に真澄も眠っている。
   目を覚ます京太郎。
京太郎「ん?どこ…?あっ自分の部屋か…いつ帰って来たんだ」
   隣で京太郎の方を向いて眠っている真澄が目に入る
京太郎「ん?(真澄と気付いて)え…」

続。

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