〇登場人物
〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇森川さくら
〇桂川斗馬
〇天野美由紀
〇タカコ
〇ツバサママ
〇才田志保
〇才田正平
〇森川京子
〇まゆ原すず子(52)
〇九話ダイジェスト
〇マンション・森川家・ダイニングキッチン(朝)
真澄が京太郎の顔に近づく。
真澄のスマホが鳴る。
真澄「あぁもう!斗馬だ!ごめん、カップこのまま借りて行くわ」
コーヒーカップを持ち、出て行く真澄。
京太郎「え?何今の…顔近付けなきゃいけなかったの?何?」
椅子に座り込む京太郎。
渉が来る。
気が抜けたように座っている京太郎を見て心配になる渉。
渉「お父さん?」
京太郎「(我に返って)えっ?」
渉「やっぱり、コーヒー貰っていい?」
京太郎「あ、あぁ…」
立ち上がろうとするが、バランスを崩しこけてしまう京太郎。
京太郎「イッテェ!」
〇道
さくらが緊張しながら、スマホに地図を出し見ている。
さくら「(立ち止まり)ここ…」
まゆ原すず子の作業部屋が入っているマンションを見上げるさくら。
〇マンション・すず子の作業部屋・玄関
緊張してロボットのように歩いて来るさくら。
さくらが部屋の前まで来てインターホンを鳴らす。
女性の声「はい」
さくら「あ、あの…十時から面談させて頂く事になってる、も、森川です」
ドアを開けると、髪がボサボサで大きな眼鏡をかけた女、まゆ原すず子(52)が出て来
る。
さくら「!」
すず子「誰?」
さくら「あ、あの今日十時から面談の森川…」
すず子「あぁ…入って」
中に入っていくすず子。
〇同・同
すず子に続きさくらも入って来る。
すず子「その辺に座って」
さくら「は、はい」
キッチンに食べ終わった後のカップ麺がいくつも置かれ、灰皿に山盛りの吸い殻がある。
それを見ながら椅子に座るさくら。
作業用デスクにすず子が描いたラフ画や原画が散らばっている。
すず子がお茶を持ってさくらに渡す。
さくら「どうも…」
すず子「ごめんなさいね。完徹だったからスタッフもう帰って私しかいないの」
すず子も座り煙草を吸い出す。
すず子を見ているさくら。
すず子「何?」
さくら「いえ…」
すず子「何か思ってるのと違うって顔してない?」
さくら「いえ…」
すず子「本当の事言ってもいいのよ。別にこれで採用に響く訳じゃないし」
さくら「私、一度先生のサイン会に行った事があるんです」
すず子「あらそう。それはどうもありがとう…あぁ分かった。その時と印象が全然違うって
事?」
曖昧に頷くさくら。
すず子「まぁ、あれは一種の営業みたいなもんだからね。実際はこれが私。奇麗な服着て髪もセ
ットして化粧もして…そんな事やってる場合じゃないからね。ここは、日々戦場なの。それで
もついてこれる?」
さくら「はい。私は、まゆ原先生の所で働くのが本当の夢だったので、今こうして話をしてる事
も夢のような気がしてます」
すず子「夢だけではやっていけないのよ」
さくら「…」
すず子「まぁそうね一度経験してみるのもいいかもしれないわね。まだ十五歳だっけ?高校へも
行かずにこの仕事に就いてみようなんて大した度胸だと思うわ」
さくら「はい」
すず子「じゃ、採用ね。って言っても仕事始めるのは中学卒業してからね。また日が近くなった
ら連絡するわ」
さくら「採用…いいんですか?」
すず子「うん」
さくら「あ、ありがとうございます」
〇喫茶店「Rin」・中
来客後の片づけをしている京太郎と美由紀。
美由紀「今日はお客さん結構来ましたね」
京太郎「たまにあるんですよね。お客さんが重なる時が。もうちょっと平均になればいいのにと
思いつつ、ありがたいなって」
美由紀「そうですよ。京太郎さん一人だと大変ですけど、今は…私も居るんですから」
京太郎「あ、あぁ…(苦笑い)」
面談帰りのさくらが来る。
京太郎「いらっしゃいま…おぉさくら」
さくら「ただいま帰りました」
美由紀「え?さくらって…京太郎さんの?」
京太郎「あぁ…。紹介しますね。娘のさくらです」
さくら「どうも」
美由紀「さくらちゃん、初めまして。今…お父さんとお付き合いさせてもらってる天野美由紀で
す。宜しくお願いします」
さくら「宜しくお願いします」
美由紀「あ、ここも片付けますね」
他のテーブルへ行き片付けをする美由紀。
さくら「(京太郎の袖を引っ張り)お父さん」
京太郎「痛いな…何だよ」
さくら「(小声で)お父さんが決めるので私には何も言えませんが一つ…」
京太郎「何?」
さくら「(小声で)私は、お父さんの隣に居るのは真澄さんの方がお似合いだと思います」
京太郎「(大声で)なっ!」
美由紀が振り向く。
京太郎「ご、ごめんなさい」
美由紀「いえ」
京太郎「(さくらに小声で)バカ!何言ってんだよ」
さくら「ごめんなさい」
京太郎「それより、面談どうだったんだよ」
ゆっくりとピースサインをするさくら。
京太郎「って、事はお前」
さくら「お父さん、それ以上は口に出さないで下さい。この幸せな気持ちを一人で噛みしめたい
ので」
京太郎「あ、そう」
さくら「それでは」
美由紀にも礼をして店を走って出て行くさくら。
美由紀「さくらちゃん、何かあったんですか?」
京太郎「あ、あのちょっと面談があったみたいで、いい返事がもらえたそうで」
美由紀「そうなんですか?良かったですね」
〇マンション。森川家・玄関・中
さくらが急いで帰って来る。
渉「おぉ、さくらお帰り」
さくら「ただいま、帰りました」
渉「どうだった?面談」
また、ゆっくりとピースサインを渉に見せるさくら。
渉「おぉ!」
ニヤリと笑い自分の部屋に入っていくさくら。
〇同・同・さくらの部屋・中
ベッドに横になり、真澄にメールをしているさくら。
スマホ画面に面談上手く行き採用になりましたと書いてある。
〇同・佐田家・書斎
真澄が原稿を書いている。
隣で斗馬が、書いた原稿の確認をしている。
真澄のスマホの着信。
真澄がスマホを手に取りさくらからのメールを確認する。
真澄「おぉ。良かったな…」
斗馬「ん?何が良かったんですか?」
真澄「別に。それよりどうだ原稿の感想」
斗馬「そうですね。いい感じに仕上がってます。このまま終盤に向かっていきましょう」
真澄「終盤に向けて?」
斗馬「そうですよ。この家族の物語もそろそろ終盤でしょ?え?違うんですか?」
エンターキーをパンッ!と押す真澄。
真澄「違う」
斗馬「は?」
真澄「終盤じゃなく、終わりだ」
プリンターから真澄が書いた原稿が出て来て「終」と印が付いて来る。
斗馬「え?何?終わったんですか?」
真澄「あぁ。俺が本気出せばこんなもんだ」
斗馬「うわー!嬉しい!でも本気出すなら毎回本気出して欲しいんですけど」
真澄「うるさいなあぁ。これ持って帰って上の奴に見せとけよ」
斗馬「はい。ありがとうございます」
真澄「細かな修正はするけど、俺一時休みに入るからな」
斗馬「それは、この本の売れ行き次第ですかねー」
斗馬のスマホが鳴る。
斗馬「あ!」
出会い系アプリからの着信に返信をしている斗馬。
真澄「俺の本は売れるに…」
斗馬を見ると帰り支度をしている。
プリンターから出てきた原稿を鷲掴みにする斗馬。
真澄「おい俺の原稿もっと丁寧に」
斗馬「じゃ、確認してまた連絡します」
真澄「何だよ急に慌ただしく」
斗馬「ちょっと、忙しくなりそうなので、これで失礼します」
真澄「は?ちょっと意味が」
斗馬「真澄さんの原稿も初稿終わり。そして俺の恋も…じゃ失礼しますお疲れ様でした」
ドタバタして書斎を出て行く斗馬。
真澄「何なんだアイツは…」
〇喫茶店「Rin」・中(夕)
京太郎と美由紀が片づけをしている。
京太郎「あの、美由紀さん」
美由紀「はい」
京太郎「今日ってこれから時間あったりしますか?」
美由紀「いえ。特に。もうこのまま家に帰るだけですけど」
京太郎「良かったらご飯でもどうです?いつも手伝ってもらってるお礼って言ったらあれですけ
ど」
美由紀「え?それって、デートですか?」
京太郎「デート?デートって程でもないですけど、まぁデートって事で」
美由紀「わぁ。嬉しい!京太郎さんとデートだなんて。何か次のステップへ行ったみたいな気が
します」
笑ってる美由紀につられて引きつりながら笑う京太郎。
〇居酒屋「さいだ」・前(夜)
京太郎と美由紀が来る。
美由紀「ここですか?」
京太郎「居酒屋じゃあデートって感じじゃないですけど、他にいい店あまり知らなくて」
美由紀「いいじゃないですか。私嫌いじゃないですよ。行きましょ」
京太郎の腕に手を通す美由紀。
京太郎「え…」
美由紀「行きましょ!」
中に入っていく京太郎と美由紀。
〇同・中(夜)
京太郎と美由紀が来る。
志保「あぁ、いらっしゃーい」
正平「おぅ京さんいらっしゃい」
京太郎「どうも」
カウンターに座る京太郎と美由紀。
志保「あ、今日は珍しく女性と一緒じゃない?いつものあのお隣の小説家さんは?」
美由紀「小説家さん?」
京太郎「あぁ、真澄さんの事」
美由紀「あぁ…」
京太郎「ちょっと最近締め切りが近いとかで会ってないんです」
美由紀「(志保に)お二人は良く来てるんですか?」
京太郎「美由紀さん?」
志保「えぇ。良く二人で来て大体言い合いしてる中お酒飲んで酔っ払ってるもんね」
京太郎「ちょっと、志保さん」
志保「あれ?喋っちゃダメだった?ごめんね」
京太郎「いや、大丈夫なんですけど」
美由紀「ふぅん」
京太郎「あの、そういう訳じゃ」
正平「どうする?とりあえず生でいい?」
京太郎「はい。(美由紀に)いいですよね?」
美由紀「はい」
志保「食事は決まったら教えて下さいね」
メニュー表を見る京太郎と美由紀。
美由紀「何がおススメですか?あっ京太郎さんに決めてもらおうかなあ…」
京太郎「えっ、えぇ…(困る)あっ、美由紀さんの好きな食べ物とかまだ良く分からないし、美
由紀さん自分で決めた方が良いと思うんだ。お任せで頼んでもし、美由紀さんが好きじゃない
物入ってたら申し訳ないから」
美由紀「そうですか?じゃあ、板わさと。たこわさ」
京太郎「え、わ、わさ…ワサビ好きなの?」
美由紀「はい!京太郎さんは好きですか?」
京太郎「ま、まぁ…あんまり好きじゃないけど」
美由紀「え?」
京太郎「いやいや、何でもないです。俺はとりあえずホルモン鉄板」
志保「はい、かしこまりました!」
正平「はい、どうぞビール」
正平から、生ビールを受け取る京太郎と美由紀。
美由紀「それじゃ、乾杯しましょ」
京太郎「はい、乾杯」
ジョッキグラスを合わせる京太郎と美由紀。
嬉しそうにビールを流し込み美由紀を見て何だか申し訳なくなってくる京太郎。
美由紀「飲まないんですか?」
京太郎「の、飲みますよ」
ビールを流し込む京太郎。
〇ゲイバー「ブルースカイ」・中(夜)
真澄、タカコ、ツバサがビールグラスを持っている。
ツバサ「はい、じゃあ真澄の初稿完了にかんぱーい」
タカコ・真澄「かんぱーい」
グラスを合わせる、真澄、タカコ。ツバサ。
タカコ「あー美味しっ!真澄、ほんとお疲れ様!」
真澄「有難う。でも、まだ初稿が終わっただけだから、これからまだ細かな修正に入るし完成と
までは行かないんだけどな」
ツバサ「じゃ、完成したらまたその時乾杯したらいいじゃない。その時は京さんも連れて来なさ
いよ」
真澄「え…」
タカコ「何よ、そのリアクション」
ツバサ「何、何?京さんと何かあったの?」
真澄「何もないよ」
顔を見合わせるタカコとツバサ。
タカコ「ねぇ、真澄。私達何年の付き合いだと思ってるの?」
ツバサ「顔に書いてあるわよ」
真澄「…」
× × ×(時間経過)
真澄「俺さあ、ノンケにだけは恋しないと決めてたんだ。どうせ報われないし傷つくのは自分だ
し、だから同じゲイを好きになるって決めてたんだけど。あの人の事になるとなんかなあ心に
モヤモヤがかかるんだよ」
タカコ「モヤモヤって前も言ってたよね」
真澄「そう。前よりもっとモヤが濃くなった感じ」
ツバサ「それやっぱ恋してるのよ。真澄いい加減認めなさいよ」
真澄「認めなさいよって、認めた所で先がないんだよ。どうせフラれるんだよ」
タカコ「そうかもしれないけど、可能性がゼロだって決めつけるのは良くないんじゃない?」
ツバサ「まぁ、そうよね。この世に絶対なんてないんだし」
真澄「いや、そりゃそうかもしれないけど、こればっかりは」
タカコ「分かんないわよ。やってみないと。勝負はどう転がるか分からないもんね」
ツバサ「今度二人きりになる時とかないの?」
真澄「無い事はないけど」
ツバサ「じゃあ、その時思い切って聞いてみたら?もしかしていい返事が来るかもよー」
真澄「(少し考えて)やっぱ無理。この歳になって新しい傷作りたくねぇもん」
タカコ「ったく、何ビビってんのよ。私やツバサが同じように悩んでたら、イケイケって言うく
せに、いざ自分がこうなると怖気づくんだから」
真澄「あれは、まだ若かったからだろ?もうこの歳になって新しい傷作るのしんどいぞ…」
溜息を付く真澄。
〇沼袋駅・前の道(夜)
ふらついて歩いている美由紀を心配そうに隣で歩いている京太郎。
よろめいて、京太郎の胸に倒れ込む美由紀。
京太郎「だ、大丈夫?」
美由紀「大丈夫ですよ。あぁ今日はいいお酒だったなあ。こんなに美味しいお酒久しぶりです。
私ますます京太郎さんの事好きになりそうです」
京太郎「え…」
美由紀「これからも宜しくお願いします」
京太郎「は、はぁ」
美由紀「じゃあ、また明日。なんかいいですよね。また明日って言える関係」
苦笑いする京太郎。
美由紀「それじゃ」
京太郎「うん。気を付けて帰ってね」
美由紀「はーい」
駅の改札の中に入っていく美由紀。
溜息を付き振り替えると真澄が立っている。
京太郎「ヒィィィッ!びっくりした。何で?何でここに?」
真澄「二丁目からタクシー乗って、沼袋の駅で降りたら居たから」
京太郎「居たからって…声かけたらいいでしょ!」
真澄「デート中に声かけて良かったの?」
京太郎「え…」
〇同・中(夜)
改札を通り、京太郎の声が聞こえた気がし、振り返る美由紀。
そこには駅前で言い合いしている京太郎と真澄。
美由紀「…」
二人の姿を見て、何かを思う美由紀。
改札を出て京太郎の所へ行こうとする美由紀に電話がかかって来る。
美由紀「あ…(電話に出て)もしもし…」
〇同・前(夜)
京太郎と真澄。
真澄「一応、デート中だと思って、こっちは気を使ったんですけど!それなのにびっくりしたっ
て」
京太郎「気を使ってくれたのはありがとうございます。あぁでもほんと心臓止まるかと思った。
だめだいつかこの人に殺されるんじゃないだろうか」
真澄「おい、ちょっとそれ言い過ぎだろ」
京太郎「そんな事ありません。ほんと貴方が隣に引っ越してきてから、私は何度貴方に驚かされ
たか。心臓止まったらあなたのせいですからね」
真澄「…」
京太郎「な、何ですか?言い返さないんですか?」
真澄「いや…」
京太郎「ん?」
二人の言い合いを怪訝そうに見て行く人達。
京太郎「帰りますか」
真澄「うん」
〇道(夜)
京太郎と真澄。
京太郎「また、二丁目で飲んでたんですか?」
真澄「書いてる本の初稿が終わったから、タカコとツバサが乾杯しようって」
京太郎「そうだったんですか。それはお疲れ様でした」
真澄「どうも。そっちはデート上手く行ったの?」
京太郎「行ったのかどうか…ちょっと分からなくて」
真澄「ん?」
京太郎「いや…今日は最初のデートだったんでこれからですよ。進展あるかどうかは」
真澄「何か悩んでるような感じもするけど。あっ、ねぇねぇ明日って休みだろ?」
京太郎「えぇ」
真澄「あのさぁ…」
京太郎「?」
〇マンション・森川家・リビング(夜)
憮然とした顔で京太郎が帰って来る。
渉「あ、お父さん。お帰りー」
さくら「お帰りなさい」
京子「ちょっと、京太郎。どこ行ってたのよ遅いじゃない」
京太郎「美由紀さんと飯食ってたんだよ。それで帰りお隣さんと会って帰って来たの。疲れた。
あっ明日なんだけど、お父さんちょっと久しぶりに車を出してドライブに行ってくる」
京子「何、ドライブ?もしかして明日も美由紀さんとデート?」
京太郎「いや、(違う)」
京子「(遮って)私もね今度デートなの」
京太郎「また始まった」
京子「何よ。今度は前みたいなロマンス詐欺じゃないんだからね」
京太郎「どうだか。もう今度あんな目にあっても俺知らないからな」
京子「大丈夫だって言ってるでしょ!ちゃんと、お互いの事話して、今度デートしましょうって
事になったんだから」
京太郎「はい。それじゃ、素敵な男性と出会って結ばれて遠い所へ行って下さい」
京子「ちょっと!でもアンタそんな事言っても、私が居ないと、やっぱ何か物足りないな…ちょ
っと寂しいなって思うようになるのよ。そういうものなのよ」
京太郎「ちょっと…俺がいつどこでそんな事…」
京子を見ると話を聞いてなくスマホでメールを送っている京子。
イライラして握り拳を作る京太郎。
さくら「話を戻しますが、お父さんはどなたと明日ドライブへ行くのですか?」
京子「あ、そうそう誰とドライブ行くの?」
京太郎「お隣さんと」
渉「え?真澄さんと?いいなぁ俺も行きたい」
さくら「真澄さんでしたか!これは私の計画が叶う時がやってくるかもしれません」
渉「さくらの計画?何それ」
さくら「私、今日キョンさんが紹介した女性を拝見したのですが…キョンさんには申し訳ないの
ですが、その女性より真澄さんとの方がお似合いだと思ったので、これはもしかするともしか
するかもしれません」
京太郎「何でただドライブ行くだけなのに話がそこまで広がるんだよ。それにもしかしても、も
しかにならないからな!」
京子「でも、おっさん二人でドライブって何かウケるよね」
京太郎「ちょっと黙っててよ。おばさん」
京子「ちょ!私が一番言われたくない言葉言ったね。アンタ言ったね!」
京太郎「とりあえず、明日お父さんは出かけるから。それじゃあ」
自分の部屋に入っていく京太郎。
〇喫茶店「Rin」・中(朝)
京太郎が一人キッチンでサンドイッチ
を作っている。
京太郎「よし、バッチリ!」
出来上がったサンドイッチをタッパーに入れていく京太郎。
〇同・近くの駐車場
京太郎が真澄が来るのを待っている。
京太郎「遅いなあ」
真澄の声「お待たせー」
真澄が歩いてくる。
京太郎「遅れてるんだから嘘でも走って来るとか」
真澄「お待たせ。ってか今何か言ってたよね?」
京太郎「いいえ、何にも」
真澄「遅れて来てるんだから、嘘でも走って来いって」
京太郎「聞こえてんじゃん。一語一句間違えずに聞こえてるじゃんか」
真澄「俺、地獄耳だから気を付けといた方が良いよ」
京太郎「はい。それはどうも失礼しました」
真澄「今日は俺、怒らないからね」
京太郎「は?」
真澄「俺が、たまには気晴らしにドライブでも行こうぜって言ったら、そっちも乗ってくれて
さ、車も出してくれるって言うから。お言葉に甘える事にもなるし」
京太郎「そ、そうですか?」
真澄「しかし、ちょっ古いねこの車。ちゃんと乗ってる?」
京太郎「普段は車に乗って出かける事もないから運転はあんまりしてないけど」
真澄「えぇ…運転本当に大丈夫だろうなあ」
京太郎「え…」
真澄「事故に遭って死にたくねぇもんなあ」
京太郎「あのねぇ…」
真澄「何」
京太郎「さっきから何なんですか人の神経を逆なでる突っかかり方」
真澄「怒らないとは言ったけど、突っかからないまでは言ってないけど」
京太郎「そうですか?じゃあ止めますか今日のドライブ。そうですね止めときましょ」
真澄「冗談。冗談だって。直ぐ本気にして勝手に怒るんだもんなあ。んまぁそんな京ちゃんが気
にいってるんだけど」
京太郎「何ですか人を散々おもちゃみたいな扱いして」
真澄「はいはい。分かった!早く車明けて」
ぶつぶつ言いながら、キーリモコンでドアを開ける京太郎。
真澄が車に乗り京太郎も車に乗る。
真澄「よし!出発進行!」
続。
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