終わりなき悪夢 第四夢「夢のようなめぐり逢い」 ホラー

愛する妻と2人の子供に恵まれ、平凡ながら幸せな日々を送るサラリーマンの谷山裕太。 ある日、彼は街で中学時代のマドンナ・森川瞳と運命的な再会を果たす。 懐かしい思い出話に花を咲かせ、秘密の交流を重ねる二人。 しかし、家族への後ろめたさから裕太が「もう会うのをやめよう」と告げた瞬間、運命の歯車が狂い出す。 瞳が。恐ろしい過去の真実と、自身の本当の正体を語り始める――。 過去の残酷な一言が引き寄せた狂気の執着。 二度と逃れられない、最悪の“めぐり逢い”の結末とは。
あゆむ。 80 0 0 09/12
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第一稿

〇××デパート・屋上(夕)
   小さな遊園地。
   子供達が色んな乗り物で楽しんでいる
   ベンチに座って子供達が乗っている車の乗り物を見ている谷山裕
   太(39 ...続きを読む
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〇××デパート・屋上(夕)
   小さな遊園地。
   子供達が色んな乗り物で楽しんでいる
   ベンチに座って子供達が乗っている車の乗り物を見ている谷山裕
   太(39)
   コーヒーを持って裕太の隣に座る妻の亜希子(35)
亜希子「はい」
   コーヒーを裕太に渡す亜希子。
裕太「おぅ。サンキュ」
   子供の翔(9)と光(7)が裕太達に手を振っているのを見て、
   手を振り返す裕太と亜希子。
亜希子「疲れてない?」
裕太「ちょっとね(笑う)」
亜希子「久々に家族で出かけたから翔も光もはしゃいじゃって」
裕太「仕事が立て込んでたからなあ…悪かったな。亜希子に翔と光を任
 せきりになっちゃって」
亜希子「うぅん。私は大丈夫」
翔・光「パパーママー!」
   翔と光が走って来て裕太と亜希子に抱き着く。
裕太「おぉ!翔も光も楽しかったか?」
翔・光「うん!」
亜希子「さぁ、そろそろご飯食べに行こうかぁ」
翔「うん!俺ハンバーグがいい!」
光「私、お子様ランチ!」
裕太「よぉし。今から連れてってやるからなあ!」
翔・光「やったー!!」
裕太M「仕事は大変だけど、子供の笑顔と妻の幸せそうな顔。これを見
 るだけで充分元気になれる」
   家族で手を繋いで、屋上を後にする裕太達。
裕太M「平凡なサラリーマンだけど、こういうのが本当の幸せなのかも
 しれない」

〇マンション・谷山家・玄関・中(朝)
   仕事へ行く為、靴を履いている裕太。
   亜希子が来る。
亜希子「行ってらっしゃい。今日は遅くなりそう?」
裕太「いや、今日は定時に上がれそうだから家で晩ご飯食べる」
亜希子「そう。子供達喜ぶわ」
裕太「いつまた仕事忙しくなるか分からないからな。じゃあ行ってく
 る」   
亜希子「行ってらっしゃい」

〇道
  裕太がスマホで会社に電話をしている。
裕太「午後からもう一軒回ってから戻りますはい」
   電話を切ると同時に女と肩がぶつかり女がこけてしまう。
裕太「すみません。大丈夫ですか?」
女「(立ち上がりながら)大丈夫です」
裕太「すみません。良く前を見てなくて」
女「私の方こそ…」
   裕太と女が顔を見合わせる。
女「あの…もしかして、谷山君?」
裕太「はい、そうですけど…」
女「私…瞳。森川瞳。中学の同級生の」
   裕太が女の顔をまじまじと見る。
裕太「あぁ!瞳ちゃん?!」
瞳「そう!久しぶり!」
裕太「いやぁ久しぶり!どうしたの?こんな所で」
瞳「うん、ちょっと色々あって離婚して地元に戻ってきたの。裕太君は
 …仕事中?」
裕太「あぁ。でも、丁度昼だし今から飯でも食いに行こうかなって思っ
 て」
瞳「そうだったんだ…。ねぇよかったらお昼一緒に食べない?色々話
 もしたいし」
裕太「あぁ。いいよ」

〇食堂
   裕太と瞳が楽しそうに話をしながら食事をしている。
裕太「ほんと懐かしいよ。瞳ちゃんあの時は皆からモテてたし。俺も、
 もっとアタックしてたらよかったなぁ」
瞳「フフフ。実をいうとね、私あの時裕太君の事良いなって思ってたん
 だ」
裕太「え…そうだったの?(照れる)嬉しいなぁこうやってまた再会
 出来て。夢のようなめぐり逢いみたいだ」
   微笑んでいる瞳。
瞳「でも、結婚しちゃったんでしょ?」
裕太「あぁ…まぁね。高校は別になったしそれから連絡取るのも少なく
 なったからね。それは今後悔してる」
瞳「それは私も…ねぇ、折角だし連絡先交換しない?」
裕太「あぁ、いいけど」
瞳「奥さんには内緒だよ。変な事で勘繰られたくないから」 
裕太「あぁ分かった」
   お互いにスマホを出し赤外線で連絡先交換をする。

〇マンション・谷山家・玄関・中(日替わり・朝)
   仕事へ行く裕太に後ろから亜希子が来る。
裕太M「あれから、瞳から何度か連絡が来て仕事後に会っている。亜希
 子には嘘をついて申し訳ないと思ってるが」 
亜希子「今日も遅くなりそう?」
裕太「あぁ…ごめん」
亜希子「謝らなくてもいいけど、あんまり体無理しないでね。最近お酒
 飲んで帰ってきてるの続いてるし」
裕太「接待も仕事のうちだからね…ほんとごめん」
   心配そうにしながらも首を横に振る亜希子。
裕太M「食事してお酒を飲んでるだけで、体の付き合いはないから浮気
 ではないと思いつつ、段々後ろめたい気持ちになってきた…」
裕太「じゃ、行ってくるね」
亜希子「うん、行ってらっしゃい」

〇バー・店内(夜)
   裕太がトイレから出てきて瞳の隣に座る。
裕太「ごめんね」
瞳「うん、大丈夫」
   水割りを飲む裕太。
裕太「今日も楽しかったな。こんなに頻繁に瞳ちゃんに会えるのはほんと
 嬉しい」
瞳「ねぇ…今日私帰らなくてもいいんだ」
裕太「え?」   
   裕太の肩に頭を寄せる瞳。
瞳「帰りたくないな…」
裕太「帰りたくないって…」
瞳「ねぇ、いいでしょ?」
   考えている裕太。
   
〇フラッシュ。
   亜希子や翔、光の笑顔。
   
〇フラッシュ戻り。
   裕太と瞳。
裕太「(首を横に振り)いや、だめだ」
瞳「え?」   
裕太「やっぱり、妻と子供は裏切れない」
瞳「…」
裕太「ごめん。今日はもう帰ろう」
瞳「うん…」
裕太「後、これからは少し会うの控えよう」
瞳「え…」
裕太「毎日のように会ってたからさ、妻にそろそろ疑われちゃうかもし
 れないから…また少し日を開けてさ。瞳ちゃんとはこれからもいい関
 係でいたいから」
   俯いている瞳。
裕太「さ、帰ろ?タクシー見つけるからさ」
   店を出ようとする裕太。
瞳「勝手な事を…」
裕太「え?」
   振り返った裕太の視界が一気に真っ暗になり暗転。

〇小屋・中(夜)
   顔を歪ませながら目を開ける裕太。
裕太「は?」
   裕太は椅子に座り体を紐で何重にも縛られ身動きが出来なくなっ
   ている。
裕太「え?何これ、どうなってんの?瞳ちゃん!!瞳ちゃん!」
   部屋に瞳が入ってくる。  
裕太「瞳ちゃん、これどういう事?どうしてこんな事?」
瞳「薬がこんなに早く効くなんて」
裕太「?」
瞳「トイレ行ってる間に睡眠薬お酒に入れといたの」
裕太「え?何で?」
瞳「あんたを返したくなかったから」
裕太「…」
瞳「私の事ちゃんと分ってないくせに瞳、瞳って」
裕太「何?何を言ってるの?」
   勢いよく裕太の所へ行き髪を掴み顔を上げる瞳。
瞳「私が本当に瞳だと思ってるの?」
   訳が分からなく体が震え出す裕太。
瞳「私の本当の名前は…香月真由」
裕太「香月…真由…?(思い出して)あっ」
真由「思い出した?」
裕太「あ…あぁ…」
真由「瞳の友達。あんたの事が好きだった香月真由」
裕太「真由…ちゃん。何でこんな事を?」
真由「忘れたの?あんたが中学の時に私にした事。私がどんな思いで
 あんたに告白したか…」
裕太「そ、それは…」
真由「酷い言葉で私を罵って、瞳とは比べ物にならない位のブスだのゴ
 ミだの言って」
裕太「…」
真由「だから私は瞳になればあんたをモノに出来るって思ったか
 ら…」 

〇フラッシュ
   瞳を刺し殺し血しぶきを浴びる真由。
   瞳の顔の表面をナイフで薄く剥ぎ取り
   自分の顔に付け高笑いをする真由。

〇フラッシュ戻り
   裕太と瞳。
真由「それから、瞳の体格、好きな物や服装に性格全部合わせせたわ。
 それなのに!」
裕太「ヒィッ」
真由「それなのに、何であんたは私の物にならないんだ!」
裕太「それは…もう俺は結婚してるし子供も居るから…中学の時は酷い
 事を言って悪かったすまない」
真由「もう、今更遅いわ!」
裕太「瞳…じゃなかった真由ちゃん…」
真由「あんたが、そこまで拒むなら…」
   ポケットからライターを出し火をつける真由。
裕太「な、何してるの?」
   真由が視線を下に向けると、裕太も視線を下に向ける。
   裕太が座ってる椅子を囲むように灯油が撒かれている。
裕太「ちょ…ちょっと…何考えてるの?やめよ?(声が震え)ね
 ぇ、やめよう」
瞳「裕太…一緒になろう」
   錯乱状態になりつつある裕太。
   火を灯油に付ける真由。
   裕太の周りを徐々に火が囲んでいく。
   裕太の慌てふためく姿を見て笑っている真由。
   火が裕太の方に徐々に近づいてくる。
裕太「やめて!熱い!やだ!熱い!!!!助けて!!!」
   笑いながら部屋を出て裕太の方を向く真由。
裕太「待って!助けて!早く助けて!!!」
   ニヤリと笑ってドアを閉める真由。
裕太「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
   暗転。

〇アパート・真由の家・中
   ワイドショー番組が流れている。
リポーター「先日会社の帰宅途中から行方不明になった谷山裕太さんの
 捜索ですが依然手懸りが掴めないままの状態です」
   リポーターが亜希子にインタビューをしている。
亜希子「(泣きながら)主人が、何処にいるのか…今何してるのか…本
 当に心配で」
   嗚咽がこみ上げ話す事が出来ない亜希子。
   テーブルに骨壺が蓋の開いた状態で置いてある。
   真由はテレビを見ながら白い塊を口に入れボリボリと噛み砕いて
   いる。
リポーター「少しの情報でもいいです。何かありましたらこちらまで連
 絡をお願いします」
   真由が骨壺の中に手を入れ裕太の骨を取り口の中に入れボリボリ
   と噛み砕く。
真由M「裕太との出会いは本当に夢のようなめぐり逢いだった」
   ニヤリと笑い骨を食べ続ける真由。
   骨壺の隣に置いてある笑顔の裕太と真由の写真。

完。

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